所要時間:45分
サクサク&ジューシーが魅力のベトナム揚げ春巻き
日本では、ベトナム料理の人気定番の1つに数えられることが多い揚げ春巻。南北で形が異なり北部では“ネム”と呼ばれていて少々大きめなものを作りますが、ここではホーチミンなどベトナム南部の地域の食卓に上がる親指大ぐらいの“チャーゾー”をご紹介します。
豚挽き肉と海老を合わせた餡をライスペーパーで巻いて揚げ、葉っぱにくるんでタレにつけて食べるスタイルが一般的。サクサクとした軽い皮の食感と、旨味たっぷりのジューシーな餡は、酒のお供に、またご飯のおかずにもぴったり。食べ応えもあるので、食卓の主役を張れるひと品です。
餡の舌触りをふわりと軽くするため、現地ではタロイモの千切りを混ぜこみますが、ここでは代わりにジャガイモの千切りを使いました。また春雨は完全に戻さずにおくのがポイント。揚げている途中に出る肉汁を吸ってくれます。 揚げ油に使用するごま油には「セサモール」という抗酸化物質が含まれます。このセサモールが揚げている間に増えることで、他の植物油に比べ数回使ってもカラッとした揚げ上がりが持続します。ベトナム揚げ春巻の材料(2人分)
春巻の材料 |
豚ひき肉 | 80g |
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むきエビ | 50g(生) |
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ニンニク | 1/2片(みじん切り) |
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じゃがいも | 1個(約100g) |
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緑豆春雨 | 10g |
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きくらげ | 少々 |
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ヌックマム | 小さじ1/2 |
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こしょう | 少々 |
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ライスペーパー | 適量 |
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油 | 適量(揚げ油)純白ごま油+純正ごま油※ |
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ハーブ | 適量(大葉、香菜、ミントなど好みで) |
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グリーンカール | 適量(その他の生野菜はお好みで)※※ |
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ベトナムダレの材料 |
湯 | 大さじ2 |
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砂糖 | 大さじ1 |
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ヌックマム | 大さじ1 |
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レモン汁 | 大さじ1 |
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ニンニク | 1/2片(みじん切り) |
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赤唐辛子 | 少々 |
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※純白ごま油は、焙煎しないごまを搾ったごま油で、色も香りもほとんどありません。純正ごま油は、焙煎したごまを搾った、香ばしい香りが魅力のごま油です。ごま油は抗酸化機能が高いので、様々な料理に活用したい健康に良い油です。※※生野菜は、グリーンカール、大葉、香菜、ミントなど、お好みで。 |
ベトナム揚げ春巻の作り方・手順
下準備
1:
春雨ときくらげは水に15分程浸けて戻し、それぞれ細かく刻んでおく。じゃがいもは短めの千切りにして水にさらしておく。むきエビは細かく刻んでから包丁で叩いておく。※春雨は、熱湯で戻すのが普通ですが、ここではあえて水につけて、固めに戻しておきます。
2:
タレを作っておく。分量の湯に砂糖を加えて溶かし、レモン汁、ヌックマム、ニンニク、赤唐辛子を加える。
春巻の作り方
3:
ボウルに豚挽き肉と叩いたむきエビを入れて粘りが出るまで良く混ぜ、水気を切った春雨ときくらげ、にんにく、ヌックマム、こしょうを入れてよく混ぜる。
4:
キッチンペーパーなどで水気を拭ったじゃがいもを3に入れ、さらによく混ぜ込む。
5:
戻したライスペーパーに(4)を大さじ1程のせ、巻いていく。
6:
フライパンに(5)を入れ、揚げ油を1cmぐらいの高さまで注ぎ、中火にかける。
7:
油に浸かっている面が白っぽく固くなってきたら裏返し、計5~6分中温で揚げる。
8:
全体が固くなったら、一度取り出し粗熱を取る。水分が表面に滲み出てくるので、もう一度中温の油に入れ、二度揚げして水分を飛ばす。
9:
(8)の揚げ春巻に、タレ、生野菜とハーブを添えてできあがり。
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添えてある葉野菜を手に取り、大葉、ミント、香菜などのハーブをのせ、その上に揚げ春巻をのせてクルリと巻き、ベトナムダレに付けて食べてください。さっぱりとお腹に収まります。 |
巻き方、揚げ方を覚えれば簡単!
通常の揚げ物を作る要領で作ってしまうと失敗しがちですが、ライスペーパーの巻き方、揚げ方、この2つのポイントをしっかり押さえれば、誰でも失敗なく仕上げられます。
◆巻き方(1)ライスペーパーを戻す時、
水をつけすぎないこと。柔らかくなりすぎるときつめにしっかりと巻くことができません。薄いものは手で水を塗るだけで十分です。水分が浸透するまでに少し時間がかかります。1~2分待ちましょう。厚めのものは両面に水を塗り、しばらく待って固いようであれば更に水を塗るという具合にすれば柔らかくなりすぎることはないでしょう。
(2)戻したライスペーパーの手前に餡を大さじ1程のせ、左右の両端を畳みます。
(3)次に、手前に残っている端を餡に被せます。
(4)畳んだ端を折り込みながら、空気が入らないようぴっちりと押さえながらきつめに外側に巻いていきます。
(5)大きいサイズのペーパーを使う場合、4等分して、写真のように重ねてから巻くと上手にできます。
◆揚げ方油がまだ冷たいうちから入れてください。ライスペーパーは薄いので、通常の揚げ物のように熱い油に入れてしまうと、皮だけがすぐに焦げてしまい、中の具まで火が通りません。また、底の浅い揚げ鍋(家庭ならフライパンで十分です)に均等に並べ、春巻きが半分漬かるくらいの、
少ない油でじっくりと揚げていくと上手にできます。たっぷりの油を使って春巻を泳がせてしまうと、巻いたライスペーパーがはがれてきてしまいます。
ライスペーパー
米粉を使って作られるライスペーパーは、「お米の国ベトナム」を象徴する食材の1つです。ベトナム全土で作られ、食べられていますが、各地方によって大きさも形もさまざま。南部や中部では「バイン・チャン」、北部では「バイン・ダー」と呼ばれています。
一般的に食べられているのは、日本でもおなじみの白く丸いシンプルなもの。現地では、日本で見かけるものよりも随分薄く、具をのせて食べている間にその水分を吸ってほどよい加減に戻るので、わざわざ水で戻したりせず、バナナの葉などに包んで少ししんなりさせてからそのまま使うこともあります。
輸送の関係上、日本で入手できるライスペーパーは厚めのものが多いので、使う際には水で戻す作業が必要です。だからといって水に直接浸したり、流水にくぐらせたりするのはNG。戻りすぎてしっかり巻けなかったり、破けやすくなります。濡れた手や布巾でさっと表面をひとなでするくらいで十分です。